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体脂肪率の落とし穴 その値は本当に正確ですか?

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体脂肪率の落とし穴

昨今、体組成計は非常に身近になり、自宅の体重計で体脂肪率も測定できる機能がついたものを持っている方は多いのではないでしょうか。

そのため、体重が増えても体脂肪率が上がってなければ、筋肉が増えたからかなと前向きな受け止め方をする人もいると思います。

しかし、ここで気を付けて欲しいのは、その体脂肪率って本当に正確な値なのでしょうか?

 

体脂肪率にはいろいろな測定方法がある

この体脂肪率ですが、実は様々な測定方法が存在します。

そして、それぞれの測定値でバラつきがあるのも事実。では、なぜそのような事が起こってしまうのでしょうか?

 

★インピーダンス法

こちらは、最も一般家庭で多く用いられる測定方法となっています。

これは、家庭用の体組成計の測定方法で、体内に微弱な電流を流してその抵抗から体脂肪率を推察するといった測定方法です。

とても簡易に測定できる点がメリットなのですが、このインピーダンス法による測定結果は誤差が大きく今一つ信用できません。

 

おそらく個人でも同じ日に体組成計で測定する時間が違えば数パーセントの差があることに気付くと思います。

これは、つまり体内の水分量の変化などの影響を受けたり、その他の要因から電気抵抗が一定で無いために起こる事象です。

また、筋肉量が極端に多いなど一般値から大きくかけ離れた身体をしているとほぼ正確な測定が出来ません。

 

インピーダンス法の数値を信頼し過ぎている人をたまに見かけますが、これらの数値に対しては常に懐疑的な心を忘れないことが重要です。

InBodyもこちらのインピーダンス法です。家庭用よりは正確な気がしますが、それでも信頼できる値とは言い切れません。

 

★キャリパー法

これは写真のような専用の体脂肪キャリパーという器具を使用して皮下脂肪の厚さを測定する方法です。

こちらで測定した厚さを自身の性別と年齢に照らし合わせる事で体脂肪率が推測できるというものです。

インピーダンス法と比較すると、いささか原始的に見えますが実はこちらの測定法の方が信ぴょう性のある数値が計算されます。

 

難点としては、測定する者の手腕で測定値が変わってしまう可能性があることです。

つまり、腹部の皮下脂肪をどの部分を挟むのか、また挟む際の強さの目安などに少しコツが必要となります。

 

このインピーダンス法とキャリパー法が一般的に家庭でもすぐに計測できる方法となります。

しかし、より正確な値を求めたいのであれば特別な器具を用いた計測が必要になってきます。

 

★二重エネルギーX線吸収法

通称DXA(デキサ)法とも呼ばれる測定方法です。

現在、医療機関での測定としては標準となっている方法です。国内では体脂肪の測定よりは骨密度測定に使用される事が多い測定方法です。

2種類のエネルギーのX線を測定部位に当てることで、骨、筋肉、脂肪を区別してその量を測定できます。

体組成計のメーカーも、このDXA法にいかに測定値を近づけられるかということを目標にしてインピーダンス法の体組成計を開発している程、この値は正確になります。

ただし、この方法で測定するためにはX線を照射するので医療機関で放射線技師の操作が必要になります。

とても正確な測定方法ですが、そういったハードルの高さから、そこまでして測定する人はほとんどいないのが現状です。

 

どう考えるべきか

さてここまでをまとめると、最も用いられているインピーダンス法の体脂肪率は当てにすべきではありません。

測定値がコロコロ変化するような値に一喜一憂するほど馬鹿らしいことは無いからです。

それよりは、キャリパー法の手技を練習して体得し、そちらで測定する方が健全と言えます。

ただ、それも正確な数値とは断言できないので、本当に正しい値を知りたいのならば、病院でDXA法にて測定するのが一番です。

(そういった測定に対応している病院があればの話ですが…)

 

ただ根本を考えると体脂肪率は何のために把握する必要があるのでしょうか?

健康管理のために把握したいのであれば、体重とウエストその他の健康診断の数値で管理する方が正確です。

もし、ボディメイクのためであれば、これほど当てにならない数値で目標管理すべきでは無いと思います。ボディメイクは見た目の変化が一番重要なので、そういった数値に惑わされずに鏡に映った自分の姿を正当に評価する方が妥当と言えます。

 

今はSNSで間違った情報もたくさん流れる時代になったので、正しい知識を持って正しい管理をする事がとても重要なのです。

この記事を書いた人

KENNA

神戸元町の「KENNA GYM」代表兼パーソナルトレーナー。ボディコンテストにおいて、様々な優勝・入賞歴あり。

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